ウルトラマンエースの敵は超獣!
さて皆さん、筆者です。
この記事を書いている日は、ちょうど最新作、ウルトラマンブレーザーの第一話放送日。
怪獣の腕を腕力で引きちぎる残虐ファイトは、初代ウルトラマンをもかくやと思わせてくれました。
ガイアでメザードの触手を引きちぎってからというもの、あまり見ない描写だったので四半世紀ぶりの戦法に興奮しています。
さて、残虐ファイトといえば、この人は欠かせません。
ウルトラマンエース!
今回は、ウルトラマンエースと戦った、怪獣ならぬ超獣に関して語っていこうと思います。
ではスタート!
怪獣と超獣の違い
ウルトラQからかなりの間、ウルトラマンの敵は怪獣だと決まっていました。
エースではそこを捻り、怪獣ではなく超獣と戦うよう路線変更。
超獣は異次元人ヤプールが作り出す生物兵器で、宇宙怪獣と地球生物の合成体であり、怪獣よりも遥かに強いのだ、と定義されました。
しかし、割と早い段階で、その設定に綻びが見えてきます。
これまで自由気ままに怪獣の設定を作って良かったのに、いきなり、全てヤプールの尖兵と定義するのは物語の自由度を狭めないか、という点です。
ヤプールの定義の曖昧さ、男女が合体して変身するジェンダーを超越したヒーローという観念的な部分も、やはり物語において、無駄な新要素でした。
物語中盤でヤプールは全滅。
その後は、突如として出現する地球産の超獣という、ほぼ従来のウルトラ怪獣と同じモンスターと戦うようになり、また男女合体という新機軸も廃され、エースで成功した要素は、ウルトラ兄弟というスターシステムのみに留まりました
ではそんな悲しみを背負ったエースは、どんな超獣と戦ったのか。
ベロクロン
第一話に登場した超獣です。
全身に極彩色のひだを持ち、そこから大量のミサイルを発射するというド派手な暴れ方で、視聴者に超獣の格の違いを見せつけました。
地球防衛軍の戦闘機部隊を壊滅させ、主人公、北斗星司と南夕子の命を奪います。
しかし、そこにウルトラ兄弟が飛来。
ウルトラマンエースの命を与えられた二人は、新たに設立された超獣攻撃隊TACへ入隊します。
ですが、そのTACをもってしても、ベロクロンは強敵です。
北斗と南の指輪が呼応し、二人は合体してウルトラマンエースに変身します。
しかし、ベロクロンは全身のミサイル、鼻からのミサイル、口からの火炎、腕からの破壊光線数種類に金縛り光線と大量の武装を持っており、エースに一歩も退かない戦いぶりを見せつけます。
最終的には、口にパンチレーザーを受け、投げ飛ばされ、メタリウム光線を受けて倒れるのですが、ベロクロンの圧倒的な強さをいかに攻略するかという第一話でした。
しかし、ここが限界でした。
その後の超獣は、ベロクロンほど多彩な能力を持っていないのです。
TACも、第一話でほとんど活躍できなかった弱いイメージになり、ヒーローのはずのエースにもまた、どこか頼りない印象を植え付けてしまうことに。
エースはハッキリ言って背が低いのですが、これは中性的なイメージと、小柄なヒーローが巨大な超獣に決死の戦いを挑んでいるイメージを受け取ってもらえるよう、あえて背の低い人をチョイスしたようです。
今後の展開を心配しつつ続きます。
ドラゴリー
地球衝突のコースを取る妖星ゴラン。
TACはミサイルで迎撃しようとしますが、それを邪魔しようとするのがヤプールで、超獣ドラゴリーを送り込みます。
これに乗っかる形で、メトロン星人も破壊活動を開始。
発射基地とミサイルは破壊されてしまいますが、技術主任の梶が「頭の中に残していた」設計図を基に、急ピッチで2号ミサイルの建造が行われます。
それを再三、再四、妨害しようとするドラゴリーとメトロン星人のタッグ。
エネルギーが限界に近いエースは、光の刃を放つ技、バーチカルギロチンでメトロン星人を両断しますが、ドラゴリーには倒されます。
しかし、完成したミサイルでゴランが爆破され、地上に太陽の光が戻るとエースは復活。
ドラゴリーは、パンチで胸に穴を空けられ、エースの剣で首を落とされ、そこにメタリウム光線を食らうという念の入った倒され方をしました。
エースキラー、バラバ
エースキラーはヤプールが開発した、異次元超人です。
ゴルゴダ星に磔になったウルトラ兄弟から必殺技を奪い、自分のものとしてエースを苦しめますが、兄たちのエネルギーを受けたエースが放った超必殺技、スペースQによって倒されました。
バラバは、エースがゴルゴダ星に忙殺されている間にヤプールが地球へ送り込んだ超獣で、火炎や両腕の鎖鎌、頭の剣などを武器にしています。
エースキラーを撃破、兄たちを解放したエースは地球へ帰還。
バラバが放った剣を奪い、逆にバラバに突き刺します。
吐血するバラバ。
その後頭部に打撃を加えると、バラバの目が飛び出しました。
更にバラバの腕のカマを奪ったエースによって、バラバは首を落とされ、倒れます。
ここでゲストの少年が「エースが勝った!」と喜ぶのですが、「エースが狩った!」にしか聞こえません。
ちなみにバラバというのは、聖書でキリストの処刑の際、恩赦で逃がされた泥棒の名前です。
脚本家がクリスチャンなので。
巨大ヤプール
異次元に乗り込んできたエースに対して、全ヤプールが結集して誕生したモンスターです。
今までの陰湿な策略とは打って変わって正面からエースと戦い、光線技の応酬となりますが、メタリウム光線に敗れます。
ここでの断末魔は「ヤプール死すとも超獣死なず!」でした。
退助か。
ヒッポリト星人
宇宙一強い生き物を自称する宇宙人で、ヒッポリトカプセルに閉じ込めてエースをブロンズ像に変えて倒し、更に助けに来たウルトラ兄弟をもブロンズ像にして全滅させた強敵です。
ウルトラの父という新キャラクターの登場でも一切動じず、長旅で大量のエネルギーを消耗した父を倒してしまいますが、その父が放ったエネルギーによりエースが復活、メタリウム光線に粉砕されます。
父は、復活した兄弟によって光の国へ運ばれます。
まあ、すぐにクリスマス回で復活するんだけどな!
ルナチクス
マグマを吸収して惑星を死の星に変える超獣で、北斗と合体してエースに変身する南夕子の仇でした。
ルナチクスは月の文明を滅ぼした超獣であり、夕子は実は月から来た宇宙人だったからです。
最終的に、ルナチクスはエースによってマグマ溜まりに投げ込まれて死亡しますが、夕子は指輪を北斗に預け、月の文明を復興させるために宇宙へ旅立っていきました。
これで「エース」が掲げていた当初の新機軸は、全て失敗に終わるのです。
ファイヤー星人、ファイヤーモンス
ファイヤー星人はTACの新兵器、シルバーシャークの破壊を企む宇宙人で、ファイヤーモンスはその手先となる超獣です。
ファイヤーモンスが振るう炎の剣は、CGも無い時代に、実際に燃えているプロップを使って殺陣を見せる危険なもので、エースのメタリウム光線も吸収、逆にエースの心臓を貫き、倒してしまうほどの威力を持っています。
しかし、ウルトラセブンの激励を受けたエースは復活。
やはり炎の剣は強いのですが、そこにTACがシルバーシャークを発射。
強力な光線を食らったファイヤーモンスは粉々に。
仕方なくファイヤー星人が巨大化し、自ら炎の剣でエースを攻めますが、エースの得意技、武器返し戦法によって炎の剣が奪われ、逆にファイヤー星人の頭に突き刺さります。
そこにメタリウム光線が命中し、ようやく倒されました。
ベロクロン二世
ヤプールの生き残り、女ヤプールが使役する第二のベロクロンです。
歯科医に化けて北斗の歯に幻覚装置を埋め込み、ベロクロンの幻影を見せ、街中で銃を乱射する危険人物と演出しました。
もはや地球侵略など目的ではありません。
ひたすらに、憎いエースに復讐するだけの存在になってしまったのです。
最期は、実体を現したベロクロンですが、エースに鼻の角を折られ、それを胸に突き刺されて倒されます。
そして女ヤプールも、北斗に射殺されました。
しかし、この時、ヤプールは言います。
「勝った者は負けた者の怨念を背負って生きていく」と。
その恨みがほぼ完ぺきな形で成就したのが、最終回です。
ジャンボキング、サイモン星人
サイモン星人の子供は、ヤプールに追われているため地球へ逃げ込みます。
そこで、ウルトラ兄弟を自負する地球人の子供たちから、弱者だと思われて虐められます。
北斗は子供たちを叱り、改心した子供たちはサイモン星人を匿います。
そしてヤプールは、エースに倒された超獣たちの細胞から、最強超獣ジャンボキングを作り出し、サイモン星人の身柄引き渡しを迫ります。
TACと子供たちに匿われるサイモン星人でしたが、ここでサイモン星人が、北斗にテレパシーを送ります。
友好的だと思われていたサイモン星人は、実はヤプールの一人だったのです。
自分を撃つことを北斗に迫るサイモン星人。
ここで撃ってしまえば、子供たちの信用を裏切ることになります。
しかし、相手はヤプールです。
仕方なくサイモン星人を射殺する北斗。
子供たちから罵られる北斗は、自分の正体を明かすしか無い状況になります。
地球での居場所は、もうありません。
北斗星司としての自己を捨ててウルトラマンエースに変身、メタリウム光線と、新技、ギロチンショットの連続攻撃で、ジャンボキングの首を断って倒します。
ですが、もう人間に戻ることはできません。
ヤプールの、地球からウルトラマンエースを抹消する作戦は、成功してしまったのです。
エースは子供たちに言います。
「優しさを失わないでくれ。
弱いものをいたわり、互いに助け合い、どこの国の人たちとも友達になろうとする気持ちを忘れないでくれ。
たとえそれが、何百回裏切られようとも」
そして、光の国へと旅立って行きました。
ウルトラマンエース、超獣まとめ
新機軸をどう処理していいんだか分からない、生みの苦しみが伝わってくる二転三転したシリーズでしたね。
それでは(@^^)/~~~
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