ウルトラマンの戦闘時間が三分の理由

記事内に広告が含まれています。

ウルトラマンの戦闘時間が三分の理由。

えー、アメコミヒーローや仮面ライダーなど、同業他社のヒーローに比べると、ウルトラマンは、オタクたちの大好物「強さ談義」ではあまり語られません。

それは何故か。

「地球には三分しかいられない」という鉄の掟があるからです。

では、どうしてその三分ルールが成立したのかについて、今回は語っていきましょう。

それじゃスタート。

まず基本設定

ウルトラマンは、太陽エネルギーを吸収して活動する、太陽の子です。

しかし、地球ではそのエネルギーが消耗するため、体内のエネルギーの限界が近づくと、胸のカラータイマーが点滅します。

これが基本的に、分かっていてほしいところです。

では、なぜ三分?

何にせよ予算

ウルトラマンも怪獣も、撮影時には人が入るものです。

しかもぴっちり作られた重くて暑くて臭いスーツの中で、上手なアクションやお芝居をしなくてはいけません。

まず、それだけでコストがかかります。

ウルトラマンと怪獣だけではありません。

戦場となる街の特撮セット、地球防衛軍の航空機、火薬、ビームなどの画面合成など、とにかく巨大ヒーローは、ロケで済む等身大ヒーローとは桁違いの予算がかかるものです。

しかも、怪獣の脅威や地球防衛軍の奮戦を描くのにまず、それなりの特撮シーンが必要です。

その物語のクライマックスに登場するヒーローの戦闘シーンを、予算内で収めるのにあたって、どれだけの時間が割けるか。

というのを、初代ウルトラマン製作時に試算してみたところ、三分が限界、という結果が出ました。

よって、ウルトラマンは滅多なことでは変身しない、ここぞという時に、よっ待ってました!という勢いで登場するのだ、ということに。

実は初代は三分ではなく

しかし、意外でしょうが、「ウルトラマンの戦闘時間は三分」というのは初代「ウルトラマン」の劇中では明言されていません。

ウルトラマンを支える太陽エネルギーは、地球上では急激に消耗する。

エネルギーが残り少なくなると、胸のカラータイマーが点滅する。

これはナレーションで説明されていることなのですが、「三分」とは言っていません。

三分ルールを視聴者に強く印象付けたのは、児童書の奇才、大伴昌司さんの、児童雑誌での解説によるものです。

明確に劇中で「三分」と語られたのは5年後の「帰ってきたウルトラマン」が最初です。

また、初代ウルトラマンの時点で、既に厳格に三分、というルールは守られていませんでした。

ダダ戦なんか、六分変身しています。

もちろんこの三分ルールは、特撮班の負担を減らすための措置なのですが、思いがけず「ヒーローのピンチ」を演出することに繋がり、毎週子供たちが、ハラハラしながら見ている状況を作ることができました。

タイムリミットの表現

で、その三分のタイムリミットを知らせるのは胸の「カラータイマー」なのですが、これは残り時間が少ないことを視聴者に知らせるために現場が付けたもので、デザイナーの成田亨さんは「ロボットになってしまう!」と激怒。

後のウルトラセブンでは、最初に予防線として、デザインにカラータイマーを組み込んでおこうと、額に「ビームランプ」を設けました。

更に、その後出した画集などにも、ひたすらにカラータイマーの無いウルトラマンを描いたりと、かなりのこだわりがあったようです。

「シンウルトラマン」では、その成田さんの夢を叶えた、カラータイマーの無いウルトラマンが活躍します。

ここでは、エネルギーが減ると、体の赤ラインが変色するという形でピンチが表現されました。

ちなみに、カラータイマーを付ける前は、どうやってタイムリミットを表現するのか議論が交わされ、画面に「あと30秒!」のボードを持った謎の人が出現するという案もあったそうです。

それはいいのか成田さん。

変身時間、環境の違い

オイルショックの物価高騰下で製作された「ウルトラマンレオ」は、出身惑星の違いというエクスキューズで、変身時間を2分40秒と設定しました。

レオがすぐ負けても、戦闘シーンがあっさり終わっても、ウルトラ兄弟よりタイムリミットが早いから仕方ない、ということです。

逆に、「ザ☆ウルトラマン」では、アニメなので特撮班の手間が要らない利点から、変身時間を四分に設定しました。

その後は主に三分ルールで展開しますが、「ウルトラマンガイア」では、地球生まれのウルトラマンなので、地球で戦っている限りエネルギー切れは無く、ただダメージが蓄積するとタイマーが点滅する設定にする、などの変化球もあります。

ウルトラマンティガの時期から、設定は三分でも十分くらい変身していることがあり、三分ルールはほぼ形骸化していると言って構わないと思います。

ウルトラマンの三分ルールまとめ

他社の変身ヒーロー「アイアンキング」に至っては、活動時間一分という激弱ヒーローでした。

あとね、三分ルールが無視されて寂しいというオールドファンの皆さん、それは、十分ぐらい戦っていても資金繰りに影響が無いほど、今のウルトラマンは潤沢な予算で作られているんだよ、という証明なので、誇りましょう。

それでは(@^^)/~~~

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました