さて皆さん、筆者です。
今回は初代「ウルトラマン」で最も怖がられた怪獣、ダダのお話。
では始めます。
ウルトラマンで最恐?三面怪人ダダ!
ダダは初代「ウルトラマン」に登場した宇宙人です。
まず、奥多摩でバスの人為的な転落事故を起こしていました。
その一方で、山頂にある宇宙線研究所を乗っ取り、そのスタッフたちを「ミクロ化器」という特殊な光線銃で縮小し、人間標本を作っていました。
辛うじて縮小から逃れた一人のスタッフが病院に駆け込み、ちょうどバス転落で足を折った科学特捜隊のイデ隊員に助けを求めます。
ダダは顔の違う個体が三匹いて、人間の活動を停止させる能力、壁をすり抜ける能力を持っているというのです。
しかしそのスタッフもダダによって研究所にワープさせられ、乗り移られてしまいます。
そして、転落事故から生還した原子力研究所の秋川技官に正体を知られたため、彼女を人間標本にしようとします。
しかしそこに、科学特捜隊のムラマツ隊長が登場。
同じく転落事故から脱出し。秋川が要注意人物と思って追ってきたムラマツの射撃を受け、宇宙人としての正体を暴かれます。
地球に来たダダの個人名は「ダダ271号」であり、母星に上司がいます。
ダダの母星では人間標本の完成を急いでいて、4体までは宇宙線研究所のスタッフで埋めましたが、あと2体を指示され、ダダはムラマツと秋川を狙います。
しかしミクロ化器が故障、ムラマツが物凄く強いなどのアクシデントに見舞われ、目論見がうまくいかないまま、ウルトラマンが到着。
巨大化して迎撃しますが、ウルトラマンの強靭なフィジカルに手も足も出ず、顔面にスペシウム光線が直撃。
母星の上司に、ウルトラマンは強いと弱音を漏らすも、標本の作製を念押しされただけで終わり、再度、顔を変化させてムラマツらを襲います。
そう、ダダは3つの顔を持つ、一匹の生物だったのです。
最恐怪人ダダの最期
ムラマツに蹴られ、屋上から落とされても頑張って二人を追い詰め、逆に二人を落下させますが、それをウルトラマンが救出。
ミクロ化器でウルトラマンをも縮小しますが、もともと変幻自在のウルトラマンには無意味で、再度、巨大化されてしまいます。
それでもテレポート能力を活かして何とかウルトラマンの死角に回ろうとしますが、顔面にハイキックを受けて逃げ出します。
さらには自身を透明化しますが、ウルトラマンの能力「透視光線」にはそれすらも無意味で、2発目のスペシウム光線を浴びて倒されました。
最恐怪人ダダは何がしたかった?
さて、そんなダダは、謎だらけです。
そもそも、なぜバス事故を起こしていたのか。
ダダの星が人間標本を急いでいるのはなぜか。
顔を3つ使い分けることに何の意味があるのか。
乗り移られたり標本にされたスタッフは結局どうなったのか。
これらの一切が、劇中では明言されません。
まとめると、「何をしたかったのかが分からない」という謎だらけの怪獣です。
明るく終わりますが、謎が謎のまま残り、不気味な余韻を与えるエピソードでした。
さあ、そんなダダは「怖い」「気持ち悪い」ということで記憶されています。
ダダはなぜ怖いのか?
まず、目的が分からない。
ワープや壁抜けをしてくるので、神出鬼没なのが怖い。
出現する時の「ダーダー」という生体音が怖い。
始終流れている、心臓の鼓動に似た謎の音。
全身のゼブラライン、穴だらけの顔デザイン、など。
一方で、「ネタキャラ」という属性も付けられました。
おかっぱである。
体のライン丸わかりのボディスーツ。
これらから、後年のギャグマンガやゲームのCMでは「オカマキャラ」と定義されることが多くありました。
また、ムラマツに何度も敗退し、ウルトラマンにも全く良いところなく敗れる弱さ、上司の命令にはたとえケガしていても絶対服従の社畜っぷりなども、ギャグキャラとして愛される理由でしょう。
ちなみにこの「ダダ」というネーミングと特徴的な外見ですが、現代美術の「ダダイズム」が大きく影響しているようです。
その後のダダ
昔の怪獣が続々登場するようになってからは、例えば宇宙人の犯罪組織の一員、など、その弱さを活かしたキャラ付けがされるようになりました。
簡単に言うと、ザコ扱いされるようになったわけです。
しかし1993年の「ウルトラマンパワード」では、人間の肉体を炭素ユニットと認識して取り込もうとするネットワーク上の電子生命体というキャラクターで、ダダが登場。
倒したと思ったが、ネットワーク上ではまだ生きていた、という終わり方が、初代ウルトラマンと同格の恐怖を視聴者に与えました。
2021年の「ウルトラマントリガー」では、このパワードダダが登場。
すっかりネットワーク社会となった現代を荒らしまわりました。
最恐怪人ダダのまとめ
ダダはネタキャラとされることが多いが、その存在感や目的の不明瞭さ、超現実的な外観など、恐怖を植え付けるには十分なキャラクターだった、というお話でした。
それでは(@^^)/~~~
コメント