ウルトラマンでもっとも悲しい怪獣。
その名はジャミラ。
今回は彼の悲劇の運命に関して語っていきます。
ジャミラとはどんな怪獣?
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ジャミラは宇宙の水の無いどこかの星で生まれた怪獣で、高速振動によって見えなくなるロケットを開発できる技術力を持っています。
その年、日本で開催される国際平和会議に出席する各国要人を、そのロケットで○○していました。
事件は科学特捜隊に持ち込まれ、パリ本部から出向したアラン隊員が日本支部に協力。
イデ隊員の技術で、見えないロケットを見えるようにする光学兵器を開発した科学特捜隊は、ロケットを撃墜。
墜落したロケットから出てきた怪獣が、このジャミラでした。
口から百万度の火炎を吐き、村落を焼き払い、科学特捜隊の攻撃も決定打になりません。
最後は国際平和会議の議場を破壊しようとしてウルトラマンに倒されます。
これだけだと極めて凡庸な話ですが、この作品を傑作たらしめているのは、ジャミラのバックボーンがあまりにも悲劇的だからです。
このエピソードのタイトルは「故郷は地球」。
ジャミラの本当の出身地は地球であり、彼は人間なのです。
怪獣ジャミラの正体は?
宇宙開発が盛んだった時期、某国から宇宙に打ち上げられたロケットが、そのまま帰ってこなくなるという事故が起きました。
そのロケットに乗っていた宇宙飛行士の名がジャミラだったのです。
しかし、彼の祖国は、宇宙開発のために人命を犠牲にしたというスキャンダルを回避するため、彼の存在を隠し続けました。
ジャミラは、祖国に、地球に裏切られたのです。
ジャミラは辛うじて、ある星に漂着しましたが、そこには地球のような水も空気もありません。
ですがジャミラは、その環境に適応して生き延びました。
そのために肉体を変質させるしか無く、怪獣の姿へ変質。
そして祖国と地球に復讐するため、ロケットを改造して戻ってきました。
それがジャミラの背負ったものでした。
繊細なイデ隊員は、ジャミラは宇宙飛行士としての先輩であり、また自分たちもいつ国家に裏切られ、ジャミラと同じ運命を辿るか分からない、という思いから戦意を喪失しかけます。
しかしパリ本部のアラン隊員は、冷徹な命令を下します。
宇宙から来た一匹の怪獣として、正体を明かさず、秘密裏に葬り去れ、と。
怪獣ジャミラの最期
科学特捜隊は、結局、攻撃を開始。
ジャミラ自身が火を吐くので、炎による攻撃は効果がありません。
そこで、人工降雨弾で雨を降らせ、水による攻撃を敢行します。
効果はてきめん。もだえ苦しむジャミラ。
水の星である地球で生まれたのに、もう彼の体は、水を受け付けなくなっていたのです。
それでも、国家への怨念のままに会議場に迫るジャミラ。
ハヤタ隊員はウルトラマンに変身し、本来は消火に使うための技、ウルトラ水流を繰り出します。
読んで字のごとく、手から強烈な勢いで水を放つ技です。
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地球で生まれたのに水が弱点になってしまったジャミラに、更に水をかけるウルトラマン。
ジャミラは倒れ、泥まみれになって、いつしかその声は赤ん坊のものになり、悶絶しながら議場へ手を伸ばし、そして、並んでいる国旗を折ろうとしたところで力尽きました。
後日、会議は無事に開かれ、そこにはジャミラの墓碑が立ちました。
「人類の平和と科学の発展のために死んだ戦士の魂、ここに眠る」と刻まれた墓碑を見て、イデ隊員は心の中で憤ります。
「犠牲者はいつもこうだ。文句だけは美しいけれど」
怪獣ジャミラのトリビア
ウルトラ兄弟最強のゾフィーの必殺技、M87光線が、摂氏87万度の威力を誇ります。
ウルトラマンのスペシウム光線の温度が50万度。
ジャミラが吐く火炎が百万度です。
ウルトラ兄弟より強いじゃん!
あと、セーターの首を伸ばして頭に引っかけて「ジャミラ」とやる男子の謎の写真写りはこいつのせいです。
怪獣ジャミラに関してまとめます
ジャミラは元は人間だった怪獣。
国家にとって、個人の命とは何なのか。
そういうことを考えさせる重いエピソードでした。
それでは(T_T)/~~~
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