ウルトラマンコスモスの打ち切り騒動に関して。
今回は、2001年に放送された、ウルトラマンコスモスの打ち切り騒動に関して書いていきます。
かなりデリケートな話になるので、ちょっと危険なニオイもするんですが。
コスモス打ち切りの発端
事態は2002年に起こりました。
21世紀を迎え、世は空前のイケメンヒーローブーム。
我らがウルトラマンの当時最新作、コスモスも、後番組のガンダムの製作が遅れたことから、1クール、つまり13話の放送追加が決定されました。
ヒーロー番組の春が来た!
そんな時、筆者は新聞の夕刊を読み、衝撃を受けました。
コスモスの主演俳優が、未成年の時期に傷害事件を起こしていて、それで逮捕されたというのです。
ウルトラマンの歴史上、初の大スキャンダルです。
結局、それは誤認逮捕ということで決着がつき、俳優は釈放され、コスモスは何とか最終回を放送できたのですが。
そこでは計り知れない多大な損失が生まれました。
放送打ち切り
大スキャンダルで、今後の放送は絶望的になりました。
そこで急遽、撮影し終えていた最終回から、主演俳優の登場シーンだけカットした不自然な編集のスペシャル番組を放送。
ここで、コスモスの結末は先に分かってしまいました。
また、ウルトラマンだけでなく、そのウルトラマンに変身する主人公もフィギュアにするという、幼児向けには珍しい商品展開がされていたのですが、逮捕されたので当然、そのフィギュアは全て回収。
主演俳優がウルトラマン役で出演していた菓子パンのCMも放送不可能に。
更には上映間近だった劇場版も、当該俳優の部分をカットして子役で撮り直す措置がなされました。
これによって、ウルトラマンのブランドイメージに大きく傷がつき、経済的な損失も莫大だったのです。
コスモス休止中の代案
コスモス打ち切りが決定されて、早急に行われたのは、ウルトラマンをSDキャラにしたファンシーアニメの放送、先に述べた最終回の前倒し放送、そして、オリジナルビデオ作品、ウルトラマンネオスの放送でした。
怪獣をむやみに倒さない、をスローガンとする異端児のコスモスに対して、ネオスはいっそ無個性なまでに正統派のウルトラマンなので、新鮮味はありました。
しかし結局、警察が非を認め、主演俳優が釈放されたことで、その放送枠はまたコスモスに戻りました。
結果、ネオスは二話しか放送しませんでした。
そして再びコスモスが放送されたのですが、時すでに遅し。
結末は既に視聴者が全員知っているので、だらだら出来レースの消化試合をやっているだけに留まりました。
コスモス打ち切りの与えた影響
この一件で、ウルトラマンのブランドイメージは悪化。
イケメンヒーローバブルもいつの間にか立ち消え、ウルトラマンの未来に暗雲がたちこめます。
一応、劇場版だけは上映でき、スキャンダルを聞いたミーハーな人たちの力でけっこう良い成績を収めたのですが、その翌年の、劇場版第三作になると、もう誰も入ってこない。
スキャンダルで名前が売れてすら、一過性のものでした。
仮面ライダーの中でも人気の高い555の劇場版の対抗馬になれるはずもなく、すぐに上映が終了しました。
また、逮捕騒動によって未放送になってしまったエピソードもあり、これは現在、DVDにまとめて収録されて販売されています。
そして、この騒動でMBSテレビには見切りを付けられ、その後しばらく、ウルトラマンは中部日本放送に拠点を移すことになります。
コスモス打ち切りのまとめ
主演俳優の素行が悪くて目を付けられたのか、警察の勇み足なのか未だに判然としませんが、この逮捕騒動によって、ウルトラマンのブランドイメージが大きく損なわれたのは事実です。
更に劇場版第三作の翌年に放送された「ウルトラマンネクサス」では、史上初、不人気による打ち切りという屈辱を経験。
そして旧経営陣の追放、ブイブイ言わせている仮面ライダーとの競合など、一瞬も気を抜けないブランド力回復の戦いを20年やってきて、最近ようやく、また日本を代表するキャラクターに戻れたようです。
一度の誤認逮捕で、これだけの損失を与える。
人心が何より一番怖い、というお話でした。
それでは(@^^)/~~~


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