ウルトラマンダイナ、これが本気の実相寺だ、バロック怪獣ブンダー!
はい皆さん、筆者です。
今回は筆者がウルトラマンダイナの中でも愛してやまない怪作「怪獣戯曲」と、そこに登場する怪獣ブンダーに関して語っていこうと思います。
ではスタート!
ブンダー、データ
「バロック怪獣ブンダー」。
身長65メートル。
体重5万トン。
出身地、鳴海浩也の演劇空間。
劇作家、鳴海浩也が錬金術によって生み出した怪獣です。
武器は鋭い腕を駆使した刺突攻撃、腕からの雷撃、竜巻、空間をねじ曲げる能力など。
更にウルトラマンダイナのソルジェント光線が直撃しても動じない頑強な装甲を持ちます。
怪獣だ、怪獣が来る
天空からバベルの塔のような形態で落下してきたのがブンダーです。
それを予告するように怪獣の到来を叫んでいた記憶喪失の男が、地球平和連合TPCのメディカルセンターに収容されました。
男の持ち物を見た特捜チーム、スーパーGUTSのカリヤ隊員は、すぐに男の正体に気付きます。
アスカ隊員と共に、男が住んでいた屋敷に向かうカリヤ隊員。
男は、一年前に消息を絶った劇作家、鳴海浩也の執事兼劇団員でした。
カルト的ファンの教祖と謳われる鳴海浩也は、オカルトなどに耽溺し、異形のもの、すなわち怪獣をこよなく愛していました。
鳴海浩也は「怪獣戯曲」という戯曲を執筆し、それは演劇雑誌に途中まで連載されていましたが、結末が発表されていません。
噂によると、鳴海浩也は戯曲の結末が気に入らず、破り捨てて失踪したそうです。
錬金術
鳴海浩也は生命創造の謎を解き、錬金術によって怪獣ブンダーを生み出したようです。
そして、ブンダーを倒すヒントを娘に託したとも。
ブンダーは動き出し、スーパーGUTSは出動。
アスカ隊員は屋敷の中で、どこまでも続く奈落に落ち、一方で戯曲の内容を朗読するカリヤ隊員。
メディカルセンターで、男は記憶を取り戻していました。
彼は俳優で、鳴海浩也は記憶喪失の彼を拾い、19世紀初頭にドイツに出現した謎の少年になぞらえ、カスパー・ハウザーと呼んで可愛がっていました。
舞台での通し稽古の風景から、ブンダー誕生の謎が紐解かれます。
現実と妄想
鳴海浩也は、カスパー・ハウザーの頭からバロック、つまり歪んだ真珠を取り出し、それをベースに錬金術によってブンダーを生み出しました。
怪獣という驚異なる存在が人間のカタルシスの道具にされることが我慢ならない鳴海浩也は、人間の世界を自分の妄想で支配することを目論んだのです。
そして、劇団員たちを街に解き放ち、現実世界を破滅的な演劇空間に変えてしまうのが最終目的でした。
バベルの塔の形態から、怪獣の姿に変じたブンダーは、強力な腕の槍や竜巻、雷撃で、スーパーGUTSの戦闘機、ガッツイーグルを一蹴。
真実は鏡に映る
アスカ隊員は、鳴海浩也が「劇場」と呼ぶ空間に拘束されていました。
鳴海浩也は、これから人類滅亡の大団円を見に行く。お前に邪魔されたくない、という言葉を残し、不気味な仮面を着けた団員の女と共にどこかへ消えます。
カリヤ隊員と、メディカルセンターの看護師、シンジョウマユミは、あることに気付きました。
ページが破られ、結末が封印された怪獣戯曲の本。
しかし、ミラーリングした紙を本に立てると、そこにはウルトラマンダイナがブンダーに光線を浴びせている風景が浮かび上がりました。
本から炎が立ち上り、それは異空間のアスカ隊員に降り注ぎます。
拘束が解けたアスカ隊員は、ウルトラマンダイナに変身。
閉幕
ソルジェント光線を叩き込んでからブンダーに立ち向かうダイナ。
鳴海浩也の想像力でも、怪獣戯曲を完結させるにはウルトラマンダイナに怪獣を倒させるしか、結末が思いつきませんでした。
だから鳴海浩也は、その結末が気に入らず、封印していたのです。
現実と妄想の境はますます曖昧になり、ダイナとブンダーが無数に分裂している状況となります。
そして、体から槍を伸ばすブンダー。
しかし、空間がねじ曲がっていることを忘れていたようです。
ブンダーは自らの槍で自らの体を貫いてしまい、自滅しました。
しかし、鳴海浩也は結局、どこへ消えたのでしょうか。
またどこかで、新しい怪獣戯曲を書いているのかも知れません。
ブンダーあれこれ
活動中は「ブンダバー」という音が響いていますが、これが鳴き声なのか劇場の効果音なのか判然としません。
あまりにもエピソードの個性が強すぎるためか、再登場の機会がありません。
SSSSグリッドマンでおなじみの新条アカネちゃんはバロックをコアにして怪獣を作っているという設定があります。
ウルトラマンダイナ、ブンダーまとめ
実相寺監督作品でもひときわ難解な一本なので、ここまで落とし込むのに一苦労でした。
それでは(@^^)/~~~
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