ウルトラマンレオがバラバラになった円盤生物シリーズとは。
さて皆さん、明後日歯医者の筆者です。
どうもこういう苦痛を伴う治療というのはやめてほしいものですが。
この時期だから歯医者に行き着くまでが遠いし。
しかし、世の中にはもっと苦痛を伴うエンタメもあるのです。
今回は、生みの苦しみ、時代の苦しみに翻弄され続けた、ウルトラマンレオの終盤、「恐怖の円盤生物シリーズ」に関して語っていきましょう。
ではスタート!
時代が悪かったウルトラマンレオ
1974年、ウルトラマンレオという作品が誕生しました。
折しもこの時期、日本は暗いムードに支配されていました。
石油危機、オイルショックと、それに伴う物価高騰です。
そのために、円谷プロも新たなウルトラマンシリーズでは、予算を削らなくてはいけませんでした。
そのために、ヒーローを未熟な戦士として、一戦一戦を死に物狂いの猛特訓で攻略していくバトルストーリーという骨格が作られました。
なぜ、予算を削るのに特訓が要るのか?
これまでのように、特撮パートに潤沢な投資ができないので、その分、ドラマパートにバトルを織り込もう、というやり方です。
また、CGが無い当時は、フィルムに一本一本、ビームを書き込む、光学合成というやり方で光線技が表現されていましたが、これも遠慮することに。
光学合成にも予算がかかるので、レオの必殺技は光線ではなく、肉弾技となりました。
モロボシダンの変容
そして、負傷によって変身できなくなったウルトラセブン、モロボシダンが師匠となります。
ウルトラセブンが変身できない、宇宙パトロール隊MACは役に立たない、ウルトラマンレオは弱い。
だから、レオを鍛え上げなくては、即座に地球が滅びるという過酷な世界観が醸成されました。
結果として、ダンは主人公、おおとりゲンに一切の甘えや妥協を許さない、敵を倒さない限り許さない鬼軍曹になりました。
この猛特訓によって、レオは一戦ごとに強くなっていくのですが、視聴者からはクレームが殺到。
・ダンが怖すぎて子供が見ません。
・ウルトラマンなんだから見てて楽しい、夢があるシリーズにしてほしい。
などです。
しかも視聴率が、ウルトラマンが始まって以来初めての一桁台まで低下。
そのため、やや見た目が貧相な単色ながら、光線技を使うようになり、主題歌も重々しいものから明朗なものに変更、イメージの悪いMACの隊員もほぼ交代、新ヒーローとなるレオの弟、アストラの登場、ダンの特訓も無くなります。
その後は、日本名作民話シリーズなど地味な展開にもなりますが、基本的に旧来のウルトラマンに準じた、ごく平凡なヒーロー番組に変わっていきます。
しかし、ここで社会情勢は更に悪化。
物価高騰がピークに達し、レオを大きく路線変更しないとやっていけない状況に陥りました。
そしてMACは滅んだ
路線変更の案は二つ、ありました。
一つはウルトラ兄弟が巨大円盤に乗り、宇宙戦争で活躍するというもの。
もう一つは、レオの孤独さと強さを強調すること。
そして後者の案が通り、新しい敵、円盤生物によって、MACは全滅します。
武器が使えなくなった、などではなく、本当にゲン一人を残して全員が死亡するのです。
ゲンは市井の家に世話になり、民間人として円盤生物の攻撃に対処することになります。
円盤生物と、それを操るブラック指令も、地球侵略より邪魔なレオを片付けるのが先だと考え、奸計を巡らせます。
こうして、レオの終盤、「恐怖の円盤生物シリーズ」は、初期と同様、陰鬱で過酷なムードに戻りました。
レオは死ねない
その円盤生物の一体、星人ブニョによって、レオは冷凍され、ノコギリで全身をバラバラに切断されます。
しかし、伝説の超人、ウルトラマンキングが降臨。
光線でレオを復活させ、言います。
「お前はまだ死ねない。一人でもお前を求める地球人がいるなら、死ねない」
この過酷な運命を背負ったのがレオです。
そして、レオはシューティングビームとレオキックで、ブニョを撃破。
ブラック指令は、子供たちの攻撃で、自分の命を司る水晶玉を奪われて倒れます。
その水晶玉を投げつけることで、レオは最後の円盤生物、ブラックエンドを撃破。
そして、レオ目掛けて落下してきた円盤生物の本拠地、ブラックスターもシューティングビームで破壊され、レオの戦いは終わりました。
ウルトラマンレオバラバラ事件、まとめ
ここまで暗く、重苦しいシリーズがあったでしょうか?
これで商業的にも痛手を受けていて、数字も悪かったんだから、あまり暗くするのはいかんよと思ったら、ウルトラマンネクサス、ウルトラマンタイガと時代ごとに暗く重いシリーズがあって、ああ、あまり反省が活きてないなと思います。
それでは(@^^)/~~~
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