ウルトラセブン、ギエロン星獣の哀しみ。
はい皆さん、筆者です。
今回は重い話が多いウルトラセブンでも、際立って鮮烈な印象を与える「ギエロン星獣」が登場するエピソード、「超兵器R1号」を振り返っていきましょう。
ではスタート!
軍拡の人類
地球防衛軍のセガワ委員とマエノ博士は、地球を守るために超兵器を開発しました。
それが、惑星への先制攻撃用ミサイル、R1号でした。
新型水爆八千個分の爆発力を誇るこの兵器の登場に、ウルトラ警備隊は安堵します。
これで地球の防衛は完ぺき、地球を侵略しようとする惑星なんかボタン一つで木っ端微塵、という論調です。
優しいアンヌ隊員ですら、地球が超兵器を持っていることを知らせて侵略者への抑止力にしようと言い出します。
ウルトラセブンであるモロボシダン隊員のみが、浮かない顔。
侵略者は地球に対抗して、もっと強烈な破壊兵器を作る、と。
しかし、フルハシ隊員は、自分たちはそれよりもっと強力な兵器を作れば良い、と短絡的な考えです。
ダンはこう言います。
「それは、血を吐きながら続ける悲しいマラソン」。
実験が生み出したもの
果たしてR1号の実験は強行され、ギエロンという惑星が、侵略者への見せしめとして爆破されました。
沸き立つウルトラ警備隊ですが、その実験を観測していた宇宙艇が何者かに撃墜されます。
宇宙に急行したダンとフルハシが見たものは、ギエロン星からやってきた巨大な生物でした。
マエノ博士は、その報告に狼狽します。
彼女は、実験場所をギエロン星に選定するまで「六か月も」かけたのです。
灼熱地獄で生物が「棲めるはずがない」ギエロン星でしたが、そこからやってきた怪獣、ギエロン星獣は、地球への復讐を企み、隕石や戦闘機、ウルトラホークの攻撃を突破、地球へ侵入します。
この時は、ウルトラ警備隊の新型ミサイルによって粉砕されるギエロン星獣。
セガワ委員は、宇宙からどんな脅威が来るかも分からないから、一刻も早くR2号を完成させる旨を語ります。
しかし、吹き飛んだギエロン星獣は、一晩で再生。
R1号の放射能を吐きながら、東京へ進撃します。
全く分かっていない
ウルトラ警備隊の攻撃を物ともしないギエロン星獣。
しかも、怪獣は放射能を吐くため、東京が危険です。
元々、超兵器の実験なんてことをしなければこんな危機は回避できていたのですが、事ここに及んでセガワ委員は言います。
「この危機を救えるのは、超兵器R2号だけです!」
この人は、何が悪かったのか一切分かっていない、救いがたい御仁でした。
ウルトラホークが撃墜され、ダンはウルトラセブンに変身。
強力な破壊ビーム、放射能の霧を浴びながらも奮戦し、ギエロン星獣の片翼をもぎ取ります。
川が流れる美しい田園風景と、そこに降り注ぐ死の灰。
倒れ込んだギエロン星獣に覆いかぶさったセブンは、頭からアイスラッガーを取り、怪獣の喉を切り裂きます。
鮮血を顔に浴びるセブン。
ギエロン星獣は、この一撃で遂に息絶えます。
爽快な爆発なんかしません。
静かに瞼を閉じるのです。
悲しいマラソン
マエノ博士は、もしかしたら、放射能で変異する前のギエロン星獣は、美しい惑星ギエロンに棲む平和な生物だったのかも知れないと語り、自分たち地球防衛軍の勇み足を反省します。
上層部は未だにR2号の開発を待っている状態です。
しかし、マエノ博士は防衛軍のタケナカ参謀と共に、R2号の開発を直ちに止めるよう、委員たちの説得に向かいました。
地球人の反省する能力に喜ぶダンでしたが、病室のケージの中で、車で回っているハムスターを見て、また表情が暗くなります。
このネズミも、悲しいマラソンを続けているのです。
ウルトラセブン、ギエロン星獣、まとめ
その後、ギエロン星獣はウルトラマンジードで復活していますが、再生能力をいかに封じるかが話の肝になって、ギエロン星獣が伝えたかったのはそういうことじゃないんだよなあと思いました。
それでは(@^^)/~~~


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