初代ウルトラマンを演じた二人の俳優。
ヒーローはそもそも、人間が演じるものです。
実力のある俳優を得られなくては、かっこいいヒーローは作れません。
今回は最初の「ウルトラマン」を作るにあたって欠かせなかった二人の俳優さんについて語っていきましょう。
ウルトラマンに変身する俳優、黒部進さん
まず、ウルトラマンに変身する科学特捜隊のハヤタ隊員を演じた黒部進さんに関して。
この投稿をInstagramで見る
本名は吉本隆志さん。
黒部さんは東宝に入社し、ゴジラシリーズの悪役や、ウルトラマンの前番組、「ウルトラQ」で悩める青年科学者という役を演じてきました。
その後、26歳の時期に「ウルトラマン」の主演俳優に抜擢されるのですが、これが、極めてクールなものだったのです。
当時の俳優に仕事を選ぶ自由は無く、東宝から「次この役やって」と仕事を回されただけで、オーディションで勝ち取ったということではありませんでした。
今のように、若手俳優がヒーロー役を得てステップアップする、という図式ができたのは、せいぜいここ20年ちょいの話。
初代ウルトラマンは57年前の番組ですから、当然そんな土壌は開拓されていませんでした。
そして、ビジネスライクに引き受けた仕事で、あの変なオレンジ色の服は着せられるし、作戦室のセットは寒いし、今日夜どこで飲む?という話ばかりされていたようです。
しかし、作品に映るハヤタ隊員は、そういう、面倒ごとを背負ってしまったという印象は全く見せず、いつも颯爽として子供たちの憧れになってくれました。
ハヤタ隊員というのは科学特捜隊の副隊長で、基本的に感情を見せないクールな印象がある役です。
完璧超人で、人間味が薄い。
しかしそれがまた、「ヒーローアクション」でありつつ「怪奇シリーズ」という作劇での名探偵的な存在感を醸し出していたともいえるでしょう。
ウルトラマンに変身する俳優の黒部進さん、その後のシリーズでは
この投稿をInstagramで見る
その後のウルトラシリーズでは、「帰ってきたウルトラマン」や「ウルトラマンタロウ」で、初代ウルトラマンが地球人に変身した姿としてのハヤタを演じておられます。
また、「レオ」「ゼアス」などでハヤタ隊員っぽい別人を演じるなど、いい意味で仕事を選びませんでした。
その間も他社の時代劇や刑事ドラマで、正義側に殺される悪役のキャリアを多く積んで60代に達します。
この時期、「ウルトラマンマックス」で、防衛チームDASHの上部組織である地球防衛連盟の長官、トミオカ役でウルトラマンに帰ってきますが、長官なのに戦闘機で活躍する、昔の防衛隊の写真に初代ウルトラマン時代のスチールが使われるなど、露骨にその後のハヤタ隊員でした。
そして続く「ウルトラマンメビウス」では、「ハヤタ」の役名で初代ウルトラマンに変身します。
この時期、もう70歳近かったので、流石に老いが感じられますが、貫禄はさすが元祖。
この「ウルトラマンに変身するハヤタ」の役で、ウルトラマンティガが主人公となる映画や、外伝シリーズ「大怪獣バトル」、ウルトラマンゼロ、コスモス、ダイナをフィーチャーした映画「ウルトラマンサーガ」にも登場。
ただ、ウルトラマンギンガ放送開始直前番組で初代ウルトラマンの声を演じてから十年ほど、ウルトラマンを演じてらっしゃらないので、さすがに年齢がごまかせなくなったのでしょうか。
もう80代ですし。
いつまでも健康に長生きしていただきたいものです。
また、実娘の吉本多香美さんは、ティガにおいて、ヒロインのレナ隊員として強い存在感を発揮しています。
ウルトラマンに入った俳優の古谷敏さん
ハヤタ隊員から変身した後のウルトラマンのスーツに入ってらしたのがこの古谷敏(ビン)さんです。
ウルトラQでケムール人やラゴンを演じ、日本人離れした美しい体型が買われてウルトラマンを演じることになりましたが、俳優なのに顔が出せないことに理不尽を感じておられたようです。
しかし、いざ作品をスタートしてみると、がぜんやる気になってしまわれたようで、スペシウム光線のポーズが考え出されたのはこの人のアイデアも豊富に入っています。
時代劇や西部劇をヒントに、当時はCGが無くフィルムに一枚一枚手書きでビームを書き込んでいたので、手がぶれないように、そしてウルトラマンの顔と胸のカラータイマーのコンディションが一発で分かるように、考えに考え抜いてあのポーズを発明しました。
この投稿をInstagramで見る
また、ウルトラマンって何でこんなに猫背なの?という話ですが、これも古谷さんの背が高すぎるため、背筋を張って映るとカメラに入らないという問題を受けて取った手段でした。
この投稿をInstagramで見る
ウルトラマンになった俳優のまとめ
ウルトラマンに変身するハヤタ隊員を演じられた黒部さん。
変身したあとのウルトラマンを演じられた古谷さん。
どちらもいつまでもどうか健やかにお過ごしください。
というお話でした。
それでは(@^^)/~~~
コメント